【読書メモ】高速バス進化の軌跡 1億人輸送にまで成長した50年の歴史と今(交通新聞社新書081)

どうも、昨日夜、ラグビーの日本対スコットランド戦をテレビで観ていたら、抱いていた子供には泣かれ、嫁さんからは怒られたnaka-staです。土曜日のゴールデンタイムの地上派でラグビーが観られるとは!

さてさて、先日の「都道首都高速道路晴海線とは」で図書館に通ってから読書熱が高まり、早速1冊読んだので、メモや雑感を残しておくことに。

今回は高速バスについての歴史を整理しておきたかったので、交通新聞社新書で、元西日本ジェイアールバス社長の和佐田貞一氏作の高速バス進化の軌跡という本を選びました。

バスターミナルは自動車ターミナル法が、定められている

自動車ターミナル法自体は知っていたが、貨物の自動車ターミナルだけが対象だと思い込んでいた。対象となる基準がよくわからないが、複数の高速バス路線が乗り入れていている場合は対象となるのかな?最近だとバスタ新宿も対象になる模様だが、たとえば名古屋の栄(オアシス21)は名古屋市交通局や名鉄バスが乗り入れているが対象じゃない??
道路法としての道路区域がかかっているのか、都市計画法による都市施設として位置づけられているのかも含めて整理をしようとすると沼にはまりそう…

名阪近鉄バスのルーツは名神ハイウェイバスの第3勢力

日本で最初の高速道路を用いた路線バスの運行となった名神高速を巡る争いがよくわかった。
今でこそ共同運行しているJRバス(東海および西日本)と名鉄、名阪近鉄バスであるが、当初は国鉄、日本急行バス(名鉄、京阪、阪急)と日本高速バス(近鉄、阪神、南海)の3陣営でスタートした経緯等が簡潔にかつわかりやすくまとめられていた。

衰退した名神、東名高速線と堅調に推移している中国高速線

個人的には、高速バスは2タイプに分けられると思っていて、主要2地域間を直行して結ぶ「飛行機型」と、主要駅に止まりながら目的地を目指す「鉄道型」。東京駅やバスタ新宿を発着する高速バスのほとんどが「飛行機型」と思っているのだが、高速バスの草分け的存在の名神、東名、中国高速線は途中のバス停からでも乗降ができる「鉄道型」。名神、東名高速線は高い期待があったが新幹線と競合して衰退した一方、中国高速線は沿線人口がすくないので期待されていなかった?が新幹線の競合がなく、鉄道(姫新線)よりも早いので堅調に推移したとある。
確かに、東名神については主要都市の中心には新幹線が止まり、それ以外でも街の中心部に駅があり、在来線がコンスタント(一番すくない大垣〜米原でも30分毎)に来ると、わざわざ町外れの高速道路のバスストップにでてまで高速バスは苦しいかと。

平成22年度全国幹線旅客純流動調査による分析

関西〜四国の分担率はバス2/3,鉄道1/3とあり、短絡する明石海峡大橋の強さとJR四国の厳しさを改めて認識。また、高速バスの分担率が高い地域として、四国と九州があげられており、特に四国は鉄道の線形の悪さと需要の弱さ(列車を頻発させるほどの大都市ではない)が高速バス有利に働いているのかなぁと認識。

路線バス系を中心にまとめられており、ツアーバス系があればなおよし

交通機関としての高速バスに着目してまとめられていて非常にわかりやすかった。欲を言えば、整理統合されたツアーバス系の歴史とかもあればなおよしと思いつつ、少し欲張りすぎかな…

いずれにしても、名神、東名、中国ハイウェイバスなどを知るにはわかりやすい一冊でした。